面接に向けて準備すること
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大学入試もいよいよ本格的なシーズンが近づいてきました。
9月からは「総合型選抜」、11月からは「学校推薦型選抜」の出願が始まりますが、今回は総合型選抜・学校推薦型選抜において重要な「面接試験」についてご紹介します。
面接試験は、総合型選抜や学校推薦型選抜では必ずといっていいほど実施され、意欲や人物を総合的に評価します。限られた時間の中でアピールが必要ですので、事前準備が不可欠です。ここでは面接試験の内容と対策について確認していきましょう。
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面接の種類
面接の形式はいくつかのパターンがあります。代表的なものを紹介しますので、その内容と注意点を確認して準備しましょう。なお、ここでは一般的な面接のタイプを解説していきます。亜細亜大学の特定の入試の面接を指している訳ではないので、その旨ご留意ください。
(1)面接型
【面接者複数:受験生1名】
面接型では最も多いパターンで、面接者は2名~4名の場合が多く、面接者が交互に質問します。面接者が複数のため、幅広く掘り下げた質問をされます。時間は10分~20分程度です。
回答する際は、質問をされた面接者を見て答えるようにしましょう。質問していない面接者は、回答する時の態度などもチェックしていますので、細かいしぐさなどにも注意しましょう。【面接者1名:受験生1名】
調査書や志望理由書に関する質問が多く、時間は5分~10分程度です。大きな会場で複数の組が同時に行われることもあります。面接者が1名のため圧迫感は少ないですが、その分マナーや言葉遣いなどに十分気をつけるようにしましょう。【面接者複数:受験生複数】
面接者が2名~3名、受験生が2名~6名程度の形式です。人数が多いので全体の時間は長くなりますが、一人あたりの回答時間は5分~10分程度です。
自己紹介や共通の質問の後、それぞれに質問するパターンが多いですが、注意すべき点は他の受験生の回答をしっかり聞いておくことです。そのため、時にはうなずくなどの反応も大切です。
また、他の受験生と回答が同じ場合でも、焦らずに少し表現を変えるなどの対応ができるようにしておきましょう。(2)討論型(グループディスカッション)
受験生5名~10名ほどのグループで、与えられたテーマについて議論します。テーマは時事問題や学部に関するものが多く、同じ部屋に複数の試験監督者が同席して評価します。時間は30分~40分程度ですが、長時間になる場合もあります。
集団で議論する適性や協調性を見られていますので、自分の意見だけではなく、他の人の意見も聞き入れながら議論を進めていくことが重要です。特に、反対意見を述べるときは、他の人の意見も尊重するようにしましょう。(3)口頭試問型
理工系や医療系の学部で行われることが多い形式です。問題が提示され、それに対する解答を述べます。文系では時事問題に関する質問や、英語で答えるパターンもあります。理系では板書での説明や、実際に実験をすることもあります。
内容としては教科書程度の基礎的な問題が多いですが、深い部分まで質問されることもあります。出題方法は大学によりさまざまですので、事前に志望校の傾向を調べて対策しましょう。(4)プレゼンテーション型
テーマや課題があらかじめ与えられ、事前準備にて資料等を作成し、当日に発表をします。時間は5分~15分程度で、発表後に質問されることもあります。テーマは自己PRや高校での活動に関するものなど幅広く、研究課題を与えられることもあります。
プレゼンテーションでは、資料を読み上げるだけではなく、資料に記載されていないことを補足するなど、自分の言葉で自信をもって話すことがポイントです。
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面接におけるチェックポイント
それでは次に、面接試験でどのようなことをチェックしているのか、そのポイントを見ていきましょう。
面接では何となく点数が付けられているのではなく、評価シートなどをもとに、項目ごとの評価がされています。押さえておきたいポイントを確認していきましょう。【意欲】
まずは本当にその大学で学びたいのかという意欲を確認しています。大学としては、どうして数ある大学の中から自分たちの大学を志望してくれたのか、その理由を知りたいと思っています。「興味をもったきっかけ」や「その大学を選んだ経緯」を具体的に伝えられるようにしましょう。大学案内やホームページの情報だけでなく、オープンキャンパスで実際に聞いた話なども交えると話に厚みが増します。
さらに、大学の学びをどのように将来に活かすのか、そのイメージも重要です。将来の展望も話せるように準備しておきましょう。【適性】
次に、学ぶ分野に対してどのくらい興味をもち、理解をしているのかということも重視しています。大学は研究機関でもありますので、単なる知識だけではなく、本当に興味があり、ぜひ深く学びたい、研究したいという熱意と意欲があるかどうかを判断します。
また、各分野において必要な志向や考え方といった「素養」についてもチェックしています。こちらについては、大学がどのような人材を求めているかをまとめた「アドミッション・ポリシー」が参考になりますので、必ず確認しておきましょう。【人物】
さらに、志望理由や学力だけでなく、人物もチェックしています。受け答えの態度やマナー、服装や身だしなみなども重要です。面接試験の日だけ上手くできるものではありませんので、日頃から言葉遣いや行動に気を付けるようにしましょう。
また、面接で多少失敗しても、その後の態度を見られているものです。向上心や積極性といった評価につながることに加え、前向きな考え方はプラスに働きますから、面接だけではなく常に心がけておくと良いでしょう。【コミュニケーション能力】
大学ではディスカッションや共同作業など、仲間や教員とのコミュニケーションが必要な場面が多くなります。そのため、受け身の姿勢ではなく、円滑なコミュニケーションが可能かどうかも評価されます。
また、大学にはさまざまなタイプの人が集まるため、「協調性」も重要です。話を聞き、論理的に話し、分かりやすく表現できるとともに、独りよがりの発言にならないよう、面接における会話全体のバランスも意識しましょう。
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面接の事前準備
では最後に、面接試験に向けて具体的にどのような準備を行えば良いか、その対策を見ていきましょう。
(1)志望理由は深い質問を想定して準備する
志望理由については必ず質問されます。「うちの大学でなくても良いのでは?」と思われないように、「どうして興味をもったのか」「興味をもった背景には何があったのか」ということを掘り下げて準備しておくことが大切です。
また、「過去・現在・未来」の視点で語れるようにすることもポイントです。きっかけとなった「過去」、この大学で学びたいという「現在」、大学で学んだことを活かして何をしたいかという「未来」について、一貫性をもって説明できるようにまとめておきましょう。(2)よく聞かれる質問を確認しておく
面接で質問されることが多い「定番」の内容はしっかり押さえておきましょう。大学や学部の分野によって傾向がありますので、事前に確認して対策を練っておきましょう。【よく聞かれる質問の例】
・志望動機
・自分に関すること(長所・短所、趣味・特技)
・高校生活(印象に残ったこと、得意科目、部活動)
・将来への希望、進路
・学科や専攻の内容
・小論文関連
・一般常識、時事問題(3)模擬面接
いきなり面接をして上手に対応できる人は、なかなかいないのではないでしょうか。考え方や人間性は素晴らしいのに、本番でうまく相手に伝えることができなかった、ということがないように、やはり事前の練習は必要です。
志望理由や将来のイメージ、自己PRなどを準備したら、担任の先生や進路指導の先生にお願いして、模擬面接を行いましょう。その際、できるだけ深く、突っ込んだ質問をしてもらうことがポイントです。
何度か練習をしたら、次は普段あまり面識がない先生にお願いしてみましょう。本番の面接は初対面の大学の方ですので、少しでも近い雰囲気で練習しておくと効果的です。
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最後に
面接試験は、出願書類の準備から始まった入試の集大成です。自分が興味をもった大学や学びに対する素直な思いを伝えましょう。面接とは暗記ではなく、相手が知りたいことを分かりやすく話すことです。しかし、自分の考えというものは意外とまとまっていないことが多いものです。それを事前に整理して、スムーズに話せるようにすることが面接対策です。皆さんそれぞれに魅力ある個性があるのですから、ぜひ存分に発揮できるよう、しっかり準備を進められるようにしましょう。
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